橋脚ができるまで
橋の人や車が渡る部分を「上部工」といい、
上部構造を支えるための土台を「下部工(橋台・橋脚)」といいます。
本工事の橋脚は鉄筋とコンクリートを組み合わせて、強度や耐久性を向上させています。
弊社が昨年度施工した、紫竹山道路 栗ノ木高架橋下部(上り・P7-8)工事の写真をもとに
橋脚ができるまでの流れをご紹介します。
竣工した紫竹山道路 栗ノ木高架橋下部(上り・P7-8)工事の
ホームページもあわせてぜひご覧ください。


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①橋脚を支えるための基礎を作ります。
橋を支えるために、橋脚の下に杭を打ち込みます。
杭を入れるための準備として、もともとあった舗装を撤去します。
②色々な杭の種類がありますが、この工事では「場所打ち杭」を施工します。場所打ち杭は、地面に直接穴を掘り、その中にコンクリートを流し込んで作る杭です。この方法では、杭を事前に作っておく必要がなく、現場でその場で作ることができます。これにより、特に狭い場所や複雑な地形でも施工が可能です。PU28橋脚には杭の長さ20mを12本、PU29橋脚には9本打ち込みます。




※赤線から下部分が地面に埋まっていて
道路から見えないところです。




土砂崩れや流出を防ぐために鋼矢板、 土留支保工と呼ばれる仮設材を基礎の周りに設置します。
◆鋼矢板とは地面に打ち込む「鋼鉄製の壁」のようなものです。
主な目的は
・掘削工事の際に土砂が崩れるのを防ぐ
・地下水が工事現場に入ってくるのを防ぐ
・周辺の地盤が緩むのを防ぐ
お弁当箱の中に仕切りを入れるように、工事現場の周りに鋼鉄の壁を立てて囲むようなイメージです。
◆土留支保工とは打ち込んだ鋼矢板を支える「支え」の役割を果たす構造物です。
本棚の間に入れる「つっかえ棒」のような役割です。
土圧で鋼矢板が内側に倒れないように支えます。主に横方向から支える部材(ワイヤー、鋼管、H形鋼など)を使用します。
【安全性の確保】
・作業員の安全を守る・周辺建物への影響を防ぐ
【工事の効率化】
・安全に深い穴を掘ることができる・地下工事をスムーズに進められる
【環境保護】
・地盤沈下の防止・地下水の制御近隣への影響を最小限に抑える
このように、鋼矢板と土留支保工は、地下工事における「安全な作業空間を作るための壁と支え」という重要な役割を果たしています。
鉄筋組立
型枠組立
コンクリート
打設
橋脚の下の地下部分にフーチング(基礎)を作ります。橋脚の重さを地面に広く分散させて地面が沈んだり、崩れないように橋全体の安定性を確保します。
コンクリートを打設するた めの型枠、鉄筋を組み立て、コンクリートを5層に分けて打設します。
コンクリートが固まったら型枠を外し、
フーチングの完成です!

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コンクリート硬化
型枠取り外し
フーチング・柱部完成

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フーチングの施工後、地上から垂直に立つ橋脚の柱部を施工します。柱部は、橋の自重や交通荷重を支える重要な役割を担っています。
また、風や地震などの外力にも耐えられるよう設計されています。
施工にあたっては、基礎部分と同様に型枠と鉄筋を組み立てます。その後、コンクリートを10層に分けて打設し、固まったら型枠を取り外します。
柱部足場撤去
橋脚上部の梁部を造る前に、
柱部の作業時に設置した足場を撤去します。
仮設材の崩壊を防ぐための補強材も順番に撤去して、
地上の高さまで、15層に分けて土砂を埋め戻しながら 平らに締め固めます。
土砂崩れや流出を防ぐために設置していた
鋼矢板を引抜き、地面に鉄板を敷き直したら
梁部の作業準備に進みます。

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土留め撤去
15層に分けて
土砂埋戻し
鋼矢板撤去
鉄板敷き直し
梁部の作業へ

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橋脚上部の梁部を造ります。
梁部は、上部工を支えるため、上部工の幅に沿って大きく広がっています。
柱部としっかり接続されることで橋全体の構造が安定し、荷重を効率的に分散させることができます。
作業ははじめに、外側の足場と、梁下部分の型枠材を受け止めるための支保工を設置します。
基礎・柱部分と同様にコンクリートを打設するための型枠と鉄筋を組み立ててコンクリートを10層に分けて打設していきます。コンクリートが固まったら型枠を外します。
梁の天端には、上部工を支える沓座部と地震時に効果を発揮する段差防止装置を設置します。
足場と支保工を解体しついに完成です!
